ハートアライアンス2023-06-09T21:26:05+09:00

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病院の垣根を越えたチームで医療現場を変える

ハートアライアンスは、
病院の垣根を越えたハートチーム(心臓血管外科医、循環器内科医、麻酔科医、看護師、臨床工学技士、理学療法士などからなる循環器治療チーム)で、従来の常識にとらわれない「医療業務の効率化」、「医療スタッフの働き方改革」、「新しい時代で必要とされる人材育成」に取り組み、医療の質向上と持続可能な医療現場体制の確立を目指しています。

ヒストリー
2016年から東京ベイ・浦安市川医療センターと聖路加国際病院の心臓血管外科は、心臓血管外科医の育成で連携を始めました。2018年からは、外科医の労働時間が長かった東京ベイ・浦安市川医療センターの緊急手術オンコールに聖路加国際病院の外科医が加わり、病院の垣根を越えた働き方改革に取り組み始めました。同時に、緊急手術の多い東京ベイ・浦安市川医療センターでどうしても緊急心臓手術を行えない状況の際、患者さんを聖路加国際病院に迅速に搬送する取り組みも開始しました。緊急ではない待機手術においても、どちら一方の病院で外科医不足の際に、他方から支援を出す柔軟な体制を作ってきました。

2019年には虎の門病院の循環器センター外科が加わって3病院でハートアライアンスを結成しました。さらには、緊急心臓手術が行うことができない病院の心臓血管外科医も3病院での緊急手術オンコールに加わり、3病院+αでの連携体制を築いています。最初は心臓血管外科医だけの連携であったのが、循環器内科医、麻酔科医、手術室看護師、臨床工学技士、理学療法士など幅広い職種において連携の輪ができつつあります。

Mission

患者、医療従事者、医療機関、社会のために

医療現場からイノベーションを起こす

Project

Project 1 外科医のスキル+空き時間をシェアする試み

東京ベイ・浦安市川医療センターでは、集中治療医が夜間休日を含めて術後管理を担っており、また病棟業務の多くを診療看護師が担っています。手術を終えた外科医が夜通しベッドサイドに張り付くということがありません。ただし、夜間の緊急手術を含めて手術は外科医にしかできないことです。あなたがもし心臓手術を受ける場合に、休みなく働いて疲弊した外科医に手術をしてもらいたいでしょうか?

テレビなどでは不眠不休で働く医師が「医師の鏡」として取り上げられることもありますが、休みのない勤務が続くと日中の手術やその他の診療の質が低下することが予測できます。医師個人の体力と気力に頼るのではなく、効率的で無理のないオンコールの体制を作って、外科医や手術に関わる医療スタッフがしっかりと休息をとる時間を確保することが重要なのです。

一般的に、心臓や大動脈の緊急手術は、通常2名か3名の外科医で行います。現状では各病院で毎日緊急手術に対応できるよう、2~3名のオンコール体制を取っています。緊急手術が来ない日も各病院で2~3名の外科医を拘束することは非効率的ですし、実際に3病院で同時に緊急手術ということはきわめてまれです。

そこで、オンコール医師の一部を3病院で共有化すること、さらには緊急心臓手術に対応していない他の病院に所属する外科医にも、3病院の緊急手術を支援してもらうシステムを構築中です。あらゆる分野でシェアビジネスが活況ですが、これはまさに「外科医のスキルと空き時間」をシェアする試みです。

このシステムは病院が強制するものではなく、心臓外科医の自由な参加意思に基づいて成り立つもので、このシステムに加わる外科医は緊急手術において高い手術手技を備えていることが前提です。

また、同じ病院にて連日あるいは1日に何件も緊急手術となると、外科医だけでなく麻酔医や手術室スタッフも疲弊します。そのような場合に、3病院間で円滑に連携し、速やかに患者さんを搬送して手術を行うシステムを整えつつあります。時と場合に応じて医師が動くまたは患者さんが動くことで、患者さんと医療者両方にとって最善の手術環境作りを目指しています。

Project 2 心臓手術における標準化

同じ医療行為であっても医師によってやり方が様々、ということは医療現場で日常的にみられることです。自分のやり方や道具にこだわる医師は多く、周囲のスタッフは担当する医師によって別のものを準備したり、やり方を変えなくてはいけません。それでは業務が煩雑になり、ミスも起こりやすくなります。医療行為を標準化することは、仕事の効率化や安全性向上において非常に重要なことなのです。

東京ベイ・浦安市川医療センター、聖路加国際病院、虎の門病院の心臓血管外科ではそれぞれ手術や周術期管理の標準化に取り組んできましたが、今その試みを病院の枠を広げています。全ての手術手技を統一することは困難ですが、ドレープ(手術の際に患者さんの体を覆う清潔な布)の形や貼り方、人工心肺の回路、開胸・閉胸などの基本手技は3病院で標準化することができると考え、標準化に向けてワーキンググループを立ち上げました。

手術の基本的な要素を標準化すれば、いつ、誰が、どの病院で、誰と手術をすることになっても違和感が生じません。心臓外科医はもちろん、看護師や臨床工学技士などのコメディカルも、スムーズに手術を行うことができるでしょう。緊急手術で医師が行き来しても、皆がいつもと同じように手術できるようになり、より安全で効率的になると考えられます。
3病院の心臓外科医はこだわりがないわけではありません。ただ、ほかの医師に浸透できないこだわりは大したこだわりではないこと、良いこだわりは皆で共有するべきであることを知っています。

Project 3 手術説明資料の刷新と標準化

イラストレーターやデザイナーから成るメディカルイラストレーションのプロフェッショナル集団であるLAIMANと共に、新しい手術説明資料を作成しています。現在各病院で使用している資料は、文字数や難しい単語が多く、とても分かりやすい資料とは言えません。新しい資料では、イラストが多く使用され、文章は最小限かつ理解しやすい表現となり、さらに書き込みスペースが十分あって、個々の患者さんに対するオーダーメイドの説明資料にすることができます。見やすさにこだわった色やデザインを使っていることも特徴です。分かりやすい資料を作ることは、何より患者さんと医師の距離を縮めることに役立ちますし、医師の説明時間の短縮にもつながります。もちろん、これらの資料はハートアライアンスの病院で共有するので、どの医師がどの病院でも同じように手術を説明できるようになります。

今後の取り組み

このほか、医師がどこにいても治療方針について話し合えるオンラインカンファランスの促進や、若手医師や診療看護師の教育カリキュラムの標準化などにも取り組んでいきます。また、心臓外科医だけでなく循環器内科医や麻酔科医もそれぞれ相互支援や標準化に取り組みはじめています。看護師や臨床工学技師もワーキンググループを立ち上げて、手術の質向上に取り組んでいます。

心臓手術でよい結果を出すには、もちろん外科医の技術が重要ですが、それを最大限生かせるチーム体制やシステム作りが欠かせません。これまで各々の病院が院内でのチーム医療体制作りに努力してきました。これからは、院内チームに加えて病院の垣根を越えたチームを作り、患者さん、医療従事者、病院、社会の4者にとって有益かつ持続可能な体制を作っていきたいです。そのために、これまでの常識やしきたりにとらわれず、革新的なアイデアと行動力で勝負していきます。

新着記事

心エコー図検査における標準化の取り組み

2020年02月01日|お知らせ|

心エコー図検査は、常に動いている心臓という臓器を扱うため、エコー検査の中でも最も技術を要する検査です。ほぼ一定の質が担保されるCTやMRI検査とは異なり、心エコー図検査はその画質も計測値も担当する技師の能力に大きく依存します。そのため、施設間ではもちろん同じ施設内においても得られる検査結果が異なる、ということが起こってしまうのが心エコー図検査の大きな問題点です。臨床現場では心エコーレポートの結果によって患者さんの治療方針が左右されるため、常に正しい結果が求められています。 虎の門病院では心エコー図検査に携わる検査技師は約10名と多く、その業務も腹部や血管など他領域にまたがっており、心エコー専従の技師はごく数名です。 なおかつ、技師の経験年数も技術も様々なため、一人一人の撮像手順や計測法を統一することが課題でした。そこで、虎の門病院の心エコーチームでは、“心エコー図検査の標準化”に取り組んでいます。2019年5月より、(アメリカ心エコー図学会の)最新のガイドラインを遵守した院内での検査プロトコールを設け、撮像手順や計測を施設内で統一しました。さらに、エコー室に常駐する超音波指導医・専門医(常勤2名+非常勤1名)が、一検査ごとに技師と画像をチェックし、レポートの記載法を直接指導しています。 また、施設間での標準化にも取り組むべく、東京ベイ・浦安市川医療センターのエコーチームと合同で、「心エコー計測に関する勉強会」を開催しています。虎の門病院と東京ベイ・浦安市川医療センターはハートアライアンスとして循環器診療で深く連携しており、患者さんや医師が2病院間を行き来しています。その状況において、施設間でエコー画像の計測や解釈が異なっていることは、診療の質に影響を及ぼす問題であり、かつ医師や技師の手間も増やします。勉強会では、同一のエコー画像を用いて実際の計測や解釈を共有することで、心エコーレポートの真の標準化を目指しており、そこから医療の質向上や、心エコー医・技師の育成、働き方改革につなげていきます。 虎の門病院循環器センター内科 太田 [...]

手術室看護師の本格的連携がスタート

2019年12月01日|お知らせ|

なぜかしら、看護師は他施設に見学に行くハードルがとても高く、他施設の看護を見て学ぶ機会が少ないのです。特に手術室は病棟と異なり、病院の中に1部署しかなく、自分たちが行っている看護を振り返る機会や他者から意見や助言をもらう機会が少ないという特徴があります。 虎の門病院、聖路加国際病院、東京ベイ・浦安市川医療センターの心臓血管外科医が医療の質向上や働き方改革、若手育成を目的に連携しようとはじまったのが「ハートアライアンス」 名称からして、外科医だけの連携ではなく、ハートチーム全体の連携を目指しています。そこで、3施設の手術室看護師でハートアライアンスのナース部門として立ち上げたのが「ナーシングアライアンス」です。 3施設の看護師が集まり、「よりよい看護の実現」のための取り組みを始めました。具体的には、3施設で、手術室看護の標準化、知識や技術の共有、さらには相互教育や共同研究などを行っていきます。 2019年11月に3施設の手術室看護師が約30名集まり、第1回ナーシングアライアンスを開催しました。各施設の特徴や手術室教育の現状を共有し、交流を深めました。ゲストとして、東京ベイ・浦安市川医療センターの診療看護師に自身の活動を話していただき、診療看護師がいない虎の門病院、聖路加国際病院の看護師からは多く質問が飛び出し、活発な議論が繰り広げられました。 [...]

第1回ハートアライアンス総会を開催

2019年11月01日|お知らせ|

2019年10月都内で、ハートアライアンスの総会を開催しました。 虎の門病院、聖路加国際病院、東京ベイ・浦安市川医療センター3施設から心臓血管外科医、麻酔科医、手術室看護師、臨床工学技士が集まり、また3施設以外からもハートアライアンスのミッションに賛同する医師らが参加し、総勢50名を超える参加者がハートアライアンスの目的と今後の展望を確認しあう機会となりました。 [...]

Member

田端 実
田端 実
代表理事
阿部 恒平
阿部 恒平
理事
三隅 寛恭
三隅 寛恭
監事
柴山 謙太郎
柴山 謙太郎
理事

−ハートアライアンス 関連団体−

一般社団法人 東京ハートラボ

一般社団法人ハートアライアンス

名称:一般社団法人ハートアライアンス(HEART ALLIANCE)
組織
代表理事:田端 実
理事:阿部 恒平
理事:柴山 謙太郎
監事:三隅 寛恭
事務局:一般社団法人ハートアライアンス事務局
info@heart-alliance.jp

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